3年間の学生生活の始まり【5回】

by | Jul 30, 2014 | 連載記事 | 0 comments

友人

seneca-friendsSeneca Collegeのパラリーガルプログラム在学中はがむしゃらな二年間でした。一つ一つの課題をこなしていくことで精一杯でしたが、今思うとあの二年間を無事に終わらせることができたのは友人に恵まれたからだと思っています。私が一番仲良くしていた友人はカナダで生まれ育った子で、私が理解できないことがあるといつも辛抱強く説明してくれました。仲良くなり始めた頃、「ねぇ、苗字なんていうの」と聞かれて「Kawakitaっていうのよ」と言うと「かっこいい!」と言われて驚きました。彼女にとって私は初めてのアジア人の友達だったようです。二人でアサイメントを協力してやったり、ノートをシェアしたり、テスト勉強したり、法廷に出廷するための準備を一緒にしたり・・・本当にお互いにいい刺激になりました。彼女は私よりもずっと年下でしたが、要領のとってもいい子で、私に勉強のコツを教えてくれたこともありました。ESLにも行ったことがなかった私にとってCollegeの勉強自体何も知らないところから始めたので、彼女の存在はとても大きく感じられました。あの時のことは今でも心から感謝しています。

移民法以外にも興味をもった分野

二年間の間に移民法はもとより、沢山の法律を勉強しました。その中でも特に私が興味を持ったのはLandlord and Tenand Lawでした。これはその名の通り大家さんと借家人に関する法律で、一般的にレントの問題や家の損傷などについて争う場合に適応される法律です。訴訟といっても些細なものから、1万ドル以下の訴訟まで色々なものがあります。「法律の何条に基づき、この人のしたことは違法であり・・・」といったような弁論を考えることがとても楽しく、先生が興味深いケース例を出す度にクラスの皆で「あーだ」「こーだ」と分厚い本をひっくり返して特定の条を探し、どのように弁護するかを考えたりしたことはとても楽しい思い出です。人によってアプローチの仕方が違い、聞いているだけでも「あぁ、そういう弁護の仕方もあるのか」と参考になりました。

プログラムの一環として実際に法廷に出廷し、「借りてがトイレにペットボトルのキャップを詰まらせて放置し、修理費を支払うことを拒否され、訴訟を起こした大家さん」の弁護をしたこともあります。反対尋問の想定練習や、証人尋問の練習、裁判官に対する言葉遣いの練習など・・・細かい部分まで何度も何度も練習を重ねて望みました。(当日は緊張しすぎてめまいがしたほどです。)その当時は大変でしたが、今となっては貴重な体験をしたと思っています。

それでもやっぱり

私にとって移民法以上に興味を持った法律はありませんでした。パラリーガルプログラムに移民法のコースは一つしか含まれておらず、とても物足りなく感じました。もっと掘り下げて移民法を勉強したい。そもそも移民法はどうやって作られたのか。どう移民法は変化していったのか。これから先日本人の移民やビザのお手伝いをしたいと思ったらもっと勉強しなければいけないのではないか。そういった気持ちが強くなり始めました。同じプログラムの友人達にこのことを相談しても、「えー移民法一番苦手だったかも」という子が多く、彼女たちのように移民ではなくカナダで生まれ育った人にとっては恐らく移民法はあまり興味深い科目ではないのだなと思いました。
思い切ってプログラムコーディネーターの元を訪ねて正直に私の気持ちを話すと、「それじゃあFieldPlacementは移民弁護士事務所にしてあげるわね」と言てくれました。FieldPlacementとは3ヶ月間の無償インターンシップのことで、パラリーガルプログラムの卒業条件の一つでした。通常希望はあまり通らないのですが、彼女の弁護士仲間が開いているというカナダ大手の移民弁護士事務所へ私の成績書を沿えて推薦して下さいました。そしてあっという間に3ヶ月間のPlacementが決定しました。お返事を頂いた日は興奮して夜も眠れなかったのを覚えています。弁護士事務所で働くことができるなんて!しかも念願の移民法弁護士事務所だなんて!私にとっては夢のような出来事でした。

次号は移民弁護士事務所で働いた経験を振り返ります。