今年一年を振り返って【34回】

by | Dec 4, 2014 | 連載記事 | 0 comments

2014年も沢山の方から移民・ビザに関するお問い合わせを頂きました。今月はその中でも特に多かったお問い合わせについてお話させて頂きます。

ビザ失効前にカナダを出国して日本に一時帰国し、カナダに再入国することは可能ですか?

恐らく数あるご質問のメールの中でこれが一番多いものではないかと思います。簡潔に申し上げるとすれば、これはあくまでも「再入国時の国境のオフィサーの判断次第である」とお考え下さい。特に質問もされずにポンとスタンプを押され、全く問題なく6ヶ月分のビジターとしてのステータスをもらえる方もいらっしゃれば、沢山厳しい質問をされ、オフィサーに怪しまれて2週間しかビジターとしてのスタンプをもらえなかった、という方もいらっしゃいます。また中にはその場で強制的に日本に帰国させられたという方もいらっしゃるようです。

ビジターとして滞在したいと申し出るからには、「日本に帰国する意思」があること、そしてその証拠を見せることが必要になるとお考え下さい。片道チケットで渡加し、つい最近までワーキングホリデーやビジターでカナダに長い間滞在していたという記録を見た瞬間、もしあなたがオフィサーであったらどう思いますか?「本当にこの人は日本に帰国する意思があるのか」「違法行為をカナダ国内でしているのではないか」などの疑問が出てくることはごく自然なことであると言えます。オフィサーの厳しい質問にもきちんと答えることができ、万が一のことを考えてきちんとした証拠を見せることができるのであれば、再入国を試みてもいいかもしれません。

恋人ができました。カナダでできるだけ長く滞在したいので移民したいです。結婚はまだ早いのでコモンローで申請できますか?

移民するための結婚は私もお勧め致しません。そういった意味ではコモンローでの移民申請は結婚移民に比べて手の届くもののように感じられる方も多いかと思います。但しこのカ テゴリーで移民申請をする場合、様々な書類をもってお二人が申請日よりさかのぼって過去 12ヶ月間コモンローとしての関係を 築いてきたということを証明する必要がございます。弊社にご相談へお越しになられる方で、そのような書類について的確に理解し、既に12ヶ月間集めました、という方は残念ながらほとんどいらっしゃいません。従ってご相談にいらっしゃってすぐに申請できる方は稀であるとお考え下さい。

またコモンローで移民申請をする場合にも結婚移民と同様、スポンサーの方に法的義務(経済的な援助など)が発生致します。このようなことも予め理解した上でじっくりと準備を進めていくことが良策と言えます。

ビザを自分で申請したのですが、問題が発生しました。自分で対処できないので、サポートして下さい。

これもとても多いご質問の一つです。英語が分からないのでレターを読んで対処して下さい、留学エージェントがサポートの仕方を知らないそうなので対処して下さい・・・など、ビジタービザ、Study Permit申請などでこのような質問を頂くことがございます。

このようなご要望に対して申し上げることは、残念ながらご自身が申請されたケースを私が途中から引き継ぐことはできない、ということです。通常ご自身で申請された場合、申請時に代理人を指定するフォーム(Use of a Representative)を提出していないため、私が代理人として政府とコンタクトを取ることはできません。移民局にこのフォームをFaxして引き継ぐ方法も最終手段としてはございますが、基本的に弁護士も公認コンサルタントもこのような種類のケースに関してそこまでする方はあまりいらっしゃいません。このように「何かあった時」に備えるという意味でも、不安な方、申請に自信のない方は資格を保持している代理人に依頼することをお勧め致します。

個人移民を目指しています。カレッジに通おうと思うのですが、どのプログラムが移民に有利か教えて下さい。

ご存知の通り、移民法(特にEconomicクラスと言われる個人移民カテゴリーに関するもの)は毎年カナダの経済状況や政府の調査を元に頻繁に改定されています。このような状況下で「このプログラムが移民に有利です」と申し上げることはとても困難なことです。従ってベストはできる限りジョブマーケット・資格の有無をリサーチし、ある程度のリスクを理解した上でカレッジのプログラムを選ぶことと言えます。

以上が本年度とても頻繁にお客様からお問い合わせを頂いた内容です。来年も沢山の法律改定が待っています。カナダの移民権を取得するということは以前に比べてとても難しくなってまいりました。様々な間違った情報・古い情報に惑わされず、常に新しい情報をチェックし、移民に向かってプランニングしていくことをお勧め致します。2015年も皆様にとって素晴らしい一年となりますように。