No. 70 – The true meaning of consultation

by | Feb 25, 2019 | 連載記事 | 0 comments

コンサルテーションの意味

■時には人生相談も
新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願い致します。

昨年も沢山の方々がカナダに移民されました。例年と同様忙しい年でしたが、充実した一年でした。昨年弊社にコンサルテーションでお越しになられた方は約130名程でした。皆様それぞれ「将来」について考え、この先どうしたらいいかということを私にオープンにお話して下さいました。中でも移民申請、ビザ申請について知りたいと思ってお越しになられた方が、お話の後半で「綾さん、これは全く関係のないことなのですけれど、相談に乗ってもらえませんか」とおっしゃるパターンが多かった気がします。

私には今年4歳になる娘がいます。ビジネスと子育てを両立していることもあり、女性のお客様から女性特有の悩みを踏まえた上で「今後の方向性」について相談されることが特に多かったと記憶しています。子供が欲しいのですが、どのタイミングで考えたらいいでしょうか?子育てと仕事を両立することは可能でしょうか?カナダの教育システムはどうでしょうか?日本に比べてカナダは住みやすいですか?育児休暇から戻ることはできますか?等です。これらのご相談は一見すると移民申請には全く関係ないことのように思われるかもしれませんが、私がアドバイスをさせて頂く上でとても重要な要素になります。色々なオプションを提示させて頂く際には「今現在」のことだけではなく、最低でも今後5年間のことを踏まえてお客様にアドバイスをするよう、心がけているためです。例えば、「この方法ですと何年後には移民することはできても、ご年齢を考えると出産ができるタイミングを逃してしまいますね」「先に移民申請した後、このタイミングで学校に行き、キャリアチェンジをされたらいかがでしょう?」など。

また意外と日本とカナダ、どちらに腰を据えて住むかということについて迷っている方もいらっしゃいます。そのような方からも人生相談を受けることがありました。やはり短期間の滞在ではカナダの良いところ・悪いところに気がつくのは難しいのではないかと思います。「今すぐに移民申請をするかしないかは分からないが、可能性として知っておきたい」、また「するとすれば今後申請したことを後悔することのないよう、色々とメリット・デメリットを知っておいてから申請したい」という方もいらっしゃいました。私は19年カナダに在住しているので(2019年で20年になります)色々なことをカナダで経験しているつもりですが、ここ数年(子供を持ってから)カナダという国の住心地に関して考え方が全く変わりました。これからも子供が大きくなるにつれて更に変わるのであろうと思っています。

■反対に・・・
コンサルテーションにお越しになるお客様に対して(少し言い方は厳しいかもしれませんが)、お説教をすることも時々ありました。あまりに現実的でないプランを提示してくる方、カナダ人の配偶者と共にSponsorshipについて説明を聞きに来て、お相手の方ばかりが話してご自身は一言も言葉を発しない方、申請条件を明らかに満たしていないのにこじつけで申請されようとする方、ビジタービザを何回も延長し、この先のことを一切考えずに目先のビザのことしか考えていない方、ビザが既に失効していることに気が付かずにそのまま就労を続けている方、等。しっかりとお客様の目を見て「現状を打破し、将来のプランを立てて前に進みましょう」と促すと、皆さん「そうですよね」「分かっていたんです」「誰かに言ってほしかったんです」というリアクションが返ってきました。私という存在が、今後のことを考えて頂くきっかけになったのであれば良かったと思います。

コンサルテーションというものは、ただ単に申請条件などについて相談をする場ではなく、お一人お一人の現在の悩みを理解した上で的確にアドバイスをし、(時には)大切なことに気付くきっかけのような場にすることも必要ではないか、と考えた一年でした。