国家試験の結果【11回】

by | Jul 30, 2014 | 連載記事 | 0 comments

とうとう試験が終わり

長かった国家試験の勉強が終わり、受験も無事終わって後は結果を待つのみとなりました。それまでがむしゃらに勉強していたので、いざ終わってみると拍子抜けしたような感じでした。試験が終わって以来、毎日勉強しなくてもいいという環境に慣れず、朝起きて「今日何をしよう?」と思ったこともありました。試験の結果が気にならなかったと言えば嘘になります。でも私は昔から大きな試験などを受ける時には結果のことを考えないようにする癖がついていて、その時もそうでした。結果を考え過ぎた時は何故か決まって悪い結果の時でした。沢山勉強して、自分の力を出し切ったと思っていたので、結果が来るまでは他のことをして気を紛らわそうとしていました。
会いたかった友達とのお茶、読みたかった本、行ってみたかったレストランでのお食事など、今まで余裕がなくてできなかったことをこの期間にしました。生き返ったような気持ちでした。自分の気持ちにゆとりができたことで、これまで具体的に考えていなかったことを考え始めていました。

1通のEmail

試験を受験しておよそ1ヶ月後、 公認移民コンサルタント協会からEmailが来ました。「もしかして‥‥と思いあけてみると、”Congratulations!”の文字が目に飛び込んできました。「あなたは晴れて公認移民コンサルタントとして認められました。」という文章を 読んだ瞬間、ほっとしたのか涙が一気に溢れました。とても綺麗な夕日が部屋に差し込んでいたのを覚えています。 キャリアチェンジをすると決めてから4年間、諦めようと思ったことは一度もなかったのですが、その分沢山の山を乗り越えてきたので本当に今までの努力が報われたと思いました。学校を卒業してHonoursを頂いた時以上の達成感でした。

試験結果を一番に伝えたかったのは日本にいる祖母でした。祖母が起きる時間まで待ってから電話し、「おばあちゃま、受かったの」と言うと、彼女は声を上げて泣き始めました。「良かったね‥‥綾、本当に良かったね‥‥心配していたんだよ、大丈夫かなって思っていたんだよ‥‥」その言葉を聞いて私も泣いてしまいました。今までずっと彼女に心配をかけて申し訳なかったという気持ちと、でもいい結果を報告できたという嬉しさの気持ちと、半分半分の涙でした。私が留学センターのカウンセラーという職を退職して法律を勉強したいと4年前に祖母に告げた時、本当は私に日本に帰って来て欲しかったのにも関わらず、「私が生きているうちに頑張りなさい、応援しているから。綾が一人前になるのを見届けるから。」と言ってくれました。勉強が苦しかった日も、落ち込んだ日も、いつも祖母の言葉を思い出して自分を奮い立たせていました。毎日最低でも1時間は彼女と電話で話していたので、いつも彼女が傍にいるような気持ちでした。祖母があまりにも電話口で喜ぶので、私も一緒になって感動してしまいました。

二番目に試験結果を伝えたかったのは、親友のお母様でした。私がカナダに1999年に来て以来、ずっと家族のように私のことを気にかけて下さって、沢山お世話になって、相談もさせて頂いて、本当に母親のように思える方です。受かりましたと伝えると、「綾ちゃん、本当に良かったわね。良く頑張りました。新しい人生の始まりね。いつも応援しているから頑張ってね。」とおっしゃって下さいました。新しい人生の始まり‥‥まさにその通りだと思いました。受かったからと言って安心しきらないこと。新しい人生はこれからだということをその時の自分に言い聞かせました。

意外な展開

公認移民コンサルタントの国家試験に受かったので、これで晴れて私も起業できると思っていた時期に、Senecaで一緒にImmigration Practitioner Programを卒業した友人から連絡がありました。ビジネスの話があるので私と会いたいとのことでした。彼女の旦那さんの会社でのミーティングを指定され、行ってみると、なんと「綾とパートナーシップを組んで会社を設立したい」というビジネスのお誘いを受けました。

次回は起業に至までの経過を振り返ります。