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カナダ市民権【27回】

移民権、市民権とは

お客様とお話していると、移民権(Permanent Residence) と市民権(Citizenship)の違いについてご存知ないとおっしゃる方が多くいらっしゃいます。そこで今回はそれぞれの権利や相違などについてお話致します。

移民権はご存知の通りPermanent Residence、すなわちPRと呼ばれるものです。個人移民、家族移民、投資移民、難民移民など、皆様色々な方法でカナダに移民されます。時々日本語で「永住権」という言葉が使われることがありますが、私はこの呼び方には違和感を覚えます。というのもカナダのPRカードは5年毎に更新しなければならず、また更新の際に万が一更新条件を満たしていない場合にはPRとしての権利を剥奪されてしまうため、何があっても「永住」が保証されているわけではないと私は認識していることがその理由です。

市民権はCitizenshipと呼ばれるものであり、更新等は一切不要です。カナダ国外で何十年暮らしても、カナダの市民権を失うことはありません。市民権を保有する人は(両親がカナダ人、日本人であるに関わらず)カナダで生まれた人、カナダ国外で生まれたが両親のうちいずれかがカナダ人である人、或いはPRを取得してからカナダ市民権を取得した人などがいます。面白いもので、お客様の中には「自分が既に市民権を保有している」ことを知らないで弊社へご相談に来られる方もいらっしゃいます。

移民権、市民権の権利の違い

移民権と市民権の権利の違いをご存知ですか、とお客様にお伺いした時に、一番に皆さんがおっしゃるのは 「選挙権」についてです。

PR保有者には選挙投票の義務、権利がありません。反対に市民権保有者は投票の義務があり、またカナダの政治に直接関わることも可能です。また市民権保有者は陪審員の義務もあります。法廷より陪審員として指名されれば、カナダ市民としてその任務を果たさなければならないことになります。(場合によっては任務を全うしなくてもいいという例外が認められることもあります。)

PR保有者は就職の際に一部の機関で仕事を得ることができません。その代表的な例として、カナダ政府や政府に関する機関等が挙げられます。これはカナダ政府が市民権保有者を優先して雇用するというスタンスであること、またカナダ国籍を保有しない人達の無犯罪歴をカナダ政府が正確に把握することが難しいためです。政府の機関以外にも、スチュワーデスなど、その他の職種でもカナダの市民権を保有していることを必須としている職種はありますので注意が必要です。

市民権保有者は、カナダ国外に居住していても家族移民のスポンサーとなることが可能です。反対にPR保有者は家族をスポンサーする際、カナダ国内に居住していることが必須となります。

市民権保有者はカナダのパスポートを持つ権利が与えられ、このパスポートで世界170カ国へビザを申請することなく旅することが可能です。カナダのパスポートは世界で4番目に「自由の効く」パスポートと言われています。もちろんアメリカに入国する際、ESTAを申請する必要もありません。

私のお客様が「今まで全く知りませんでした」と驚かれることは、PR保持者は犯罪を犯した時にカナダ国外追放になる可能性があるということです。その犯罪の度合いにもよりますが、場合によってはPRとしての権利を剥奪され、カナダから追放されて2度とカナダには入国できなくなることもありえます。このことをお話すると、皆様「犯罪は犯さないから大丈夫」とお考えになられるようですが、「犯罪」という言葉には様々な意味を含みます。車の運転を誤って人をはね、その方が亡くなってしまったということも犯罪ですし、移民申請の書類上で事実と異なることを書くことも犯罪です。犯罪を犯してもカナダの政府が法律で守ることができるのは、市民権保有者のみです。

多国籍を保有すること

カナダでは、カナダ以外の国の市民権を持っていても良いという法律です。但しCitizenship and Immigration Canadaは「その他の国が多国籍を保有することを許しているか、リサーチすること」を警告しています。ご存知の通り、日本国籍を保有する者は他の国の国籍を同時に保有することはできません。

カナダの市民権を取得するということは、「カナダ人になる」ということです。様々な理由でカナダ市民権を取得される方が弊社にもお越しになられますが、必ず申請前に市民権を取得することで発生する権利をしっかりと理解することを強くお勧め致します。