プロフェッショナルに依頼するということ【18回】

by | Aug 1, 2014 | 連載記事 | 0 comments

誰を選ぶか

TORJA17号にて、「ビザや移民について法的アドバイスができる権利を持つ者」についてお話させて頂きました。今回はその流れとして、どのような公認移民コンサルタント、或いは移民弁護士を探すのがベストかということをお話したいと思います。

キーポイントは「信頼できるか」ということももちろんそうですが、それよりも大事なのはその人が「とことん説明してくれるか」ということです。移民法に限らず、会計士の先生や病院の先生、その他プロフェッショナルに何かについて相談するということは彼らに自分を「Educateしてもらうこと」、つまり相談に対しての回答について「説明をきちんとしてもらって理解すること」でもあります。初めのコンサルテーションの時だけでなく、ケースがオープンしてからも質問一つ一つに対して回答が返ってくること、これが最低条件です。

ご自分のケースを理解していますか?

近年、企業の方々より沢山のお問い合わせを頂いておりますが、その中でも「弁護士にずっとお願いしているが、ケースが前になかなか進まない」「何をしているのか把握できず、請求書ばかり送られてくる」といったご相談が数多くみられます。ほとんどの皆様がご自分のケース内容をご理解していらっしゃらず、ビザ或いは移民申請の流れ等につきましても予め十分な説明を受けてらっしゃらない方が多く驚いております。また「メールをしても返事がない」「Receptionにメッセージを残しても折り返しの電話がかかってこない」等、弁護士とのコミュニケーションが取りづらいことを理由に違う人にケースをお願いしたいという方も多々いらっしゃいます。一番の不安要素は「ケースが今どうなっているのか全く理解していないこと」だと思います。

依頼する会社が大きければ大きいほど、ケースの扱いが「流れ作業」化していることも事実です。私がParalegalプログラムを卒業して移民弁護士事務所でLegal Assistantとして働いていた時のことですが、その事務所の大きさによって一つ一つのケースの扱い方が全く違うと感じました。大きな事務所はシステム化されており、弁護士の先生は基本的に初回お客様に会って相談内容を聞き、アドバイスをするのみです。申請を依頼した後のコミュニケーションや書類作成等はLegal Assistant任せの方がほとんどで、中には「直接先生とお話したい」と希望を出しても予約が全く取れない、というお客様もいらっしゃいました。私が働いていた事務所の弁護士はTVやラジオにも頻繁に出演されていらっしゃる有名な方でしたので、余計にお客様とのコミュニケーションは全て彼のLegal Assistantのチーム(13名)に任せていました。反対に小さい事務所は弁護士が直接お客様の対応をすることもあり得ますし、直接弁護士との連絡を取るのも比較的安易かもしれません。それでもやはり実際にはほとんどの方がLegal Assistantに任せて、自分は難しいケース等に取り組んでいるようです。

ご契約まで至らなくても・・・

公認移民コンサルタントも弁護士も、ビジネスとして仕事をしている以上、お客様にご契約して頂いてサービスを提供することが最終目的です。しかしながらお客様の状況、バックグラウンドによっては申請条件を満たしていらっしゃらない方も中にはいらっしゃいます。そのようなお客様に対して「今後どうすれば申請条件を満たせるようになるのか」、そして「将来どのようなオプションがあるのか」というところまで説明してくれるような方を見つけることが理想です。私も公認移民コンサルタントとして仕事をしていますが、明らかに申請条件を満たしていらっしゃらない方に対してその方の将来を考え、丁寧なコンサルティングをするということは安易なことではありません。時間をかけてお客様と話し合い、コンサルテーション後も「現在こんな状況です」と報告して下さる方がいらっしゃると「あの時じっくりお話して良かった」と思います。

自分のケースを最初から最後まで責任を持って面倒を見てくれ、疑問に思っていることや不安に思っていることに対してきちんと回答をしてくれるような公認移民コンサルタント、或いは弁護士を見つけて下さい。長いプロセスですのでその方との相性もとても大事になります。私のお客様から「女性なので話しやすいです」というご意見を頂くことが時々ありますが、本当に嬉しくなります。特に結婚移民などはお二人のなれそめを私に説明して頂く必要があるため、できるだけお客様が話しやすい環境を作るように心がけています。是非皆さんも安心して相談できる方を見つけ、将来の夢に向けてその方と一緒に頑張って下さい。