専門家に申請を依頼するということ【20回】

by | Aug 1, 2014 | 連載記事 | 0 comments

お客様より頂く質問

時々お客様から「自分でビザや移民を申請するのと、綾さんにお願いするのとでは何が違うのですか?」という質問を受けることがあります。そこで今回は弁護士、或いは公認移民コンサルタントにビザや移民申請を依頼することと、ご自身で申請されることの違いについてお話したいと思います。

カナダの移民局のウェブサイトには、「必ずしもビザや移民申請をするために専門家を雇う必要はありません。」と記載されています。要は申請する人が自分で申請の準備をし、ビザや移民申請を直接移民局にしてもいいということです。それでは何故移民弁護士や公認移民コンサルタントが存在するのでしょうか。

ご自身で全て準備することができますか?

ご自身でビザや移民申請をされたことのある方にはご理解頂けるかと思いますが、申請条件を満たしていらっしゃるか否かということをご自身の状況に当てはめて判断し、申請に必要な書類のリスト、ならびに申請書を作成するという一連の作業はそう簡単ではありません。提出書類や申請書の書き方について質問がある場合、英語のガイドをお読みになるか、移民局のコールセンターに電話をすることとなります。ガイドは専門用語が多く、またコールセンターは1度や2度では繋がりません。カナダで大学やカレッジを卒業された方々でも申請書の書き方や添付する書類の内容を完璧に理解するのは難しいとおっしゃる方が多いので、こちらに来て間もない方や英語が苦手な方にとっては「提出する書類に一切のミスがないこと」を事前に確かめるのは特に難しいことかと思います。

移民申請は特に注意する必要があります。というのも、以前は移民申請後にオフィサーが申請書の記入漏れ、或いは添付書類に不足分等に気が付いた場合、ケースを一旦保留にして「○○の書類が抜けていますので何日間以内に提出して下さい」と促したり、「申請書の○○ページの情報が不足しています。再提出して下さい。」とのリクエストが来ることがほとんどでした。しかしながら現在は移民申請の審査遅延を防ぐため、申請書の記入漏れや不足書類等がある場合にはRefusal letterと共にすべての書類が返送されてきます。そしてもう一度一から申請し直し、ということになります。この段階になって「綾さん、拒否されてしまったので助けて下さい」と弊社にお越しになられる方もいらっしゃいますが、提出された書類を拝見させて頂いて「やっぱり・・・」と思うことも多々あります。

お客様がご自身で申請されて拒否となった理由のよくある例として、間違った場所に申請をした、申請書が間違っていた、必要書類が全て添付されていなかった、申請書に記入漏れがあった、などが挙げられます。こういった初歩的な間違いが起きないよう、移民弁護士や公認移民コンサルタントが予めお客様に指示を出して協力して申請に向けた準備をしていきます。

我々の役割

移民弁護士や公認移民コンサルタントは「移民法のスペシャリスト」です。お客様に的確なアドバイスを差し上げるだけではなく、ビザや移民申請のために必要な書類をご案内し、書類の記載内容確認、そしてミスのない申請書を作成し完璧なパッケージを移民局に提出することで、申請後の不必要な審査遅延の確率を減らすことが可能です。また審査後に万が一オフィサーがコミュニケーションを取りたい場合、申請者ではなく、代理人である私共に直接連絡が来ますので安心です。

移民法は頻繁に改訂となるため、以前の法律では申請可能であったにも関わらず改訂と同時に移民申請ができなくなる方もいらっしゃいます。またそれと反対に「移民申請の条件を満たしているとは思わなかった」というお客様もいらっしゃいます。こういった頻繁な法律の改訂について全て把握することは難しく、やはり専門家に聞いて指示を仰ぐことが一番確実かもしれません。

心配ならば依頼すること

私は数字が苦手で、インカムタックス含め、タックス関係は全て会計士と簿記の先生にお任せしています。恐らく自分で政府からガイドをダウンロードして読めばできないことはないのでしょうが、必要な書類について指示を出して頂いたり、分からないことについて説明して頂いたり、政府との橋渡し役になって頂けるので本当に安心してお任せすることができます。移民弁護士や公認コンサルタントの役割もとても似ています。ご自身でビザや移民申請の準備をすることに自信がない、またご自身が申請できる条件を満たしているかいないかということを判断できない方は是非専門家にご相談してみて下さい。