No. 62 – Study Permitの注意点

by | Aug 3, 2018 | 連載記事 | 0 comments

カナダで就学することを目的にStudy Permitを取得される方は大勢いらっしゃると思います。Study Permitが無事発行されると、発行したという事実にあまりにも安心し過ぎて、肝心のStudy Permitを保持するためのルールを理解していない方がとても多いようです。今月はStudy Permitを現在所持している方、また以前Study Permitを所持していた方で今後移民申請を考えていらっしゃる方にとってとても重要な注意点についてお話し致します。

■本当に就学目的でしょうか?
弊社へビザのご相談でお越しになる方で、実際にお会いしてお話を伺う前にメールで頂く基本情報を読む段階で「これはおかしい」と直感で思うケースが時々あります。そのような方には、お会いした際に単刀直入にお伺いしています。「Study Permitを取得されて以来、学校に通っていますか?」と。ほぼ100%の確率で、「それが行ってないんですよ。カナダに長期滞在目的で取得しました。」との回答が返ってきます。申請前からカナダで就学する目的でなかったにも関わらず、どうにかしてカナダに長期で滞在していたかったのでUniversityやCollegeへ就学するという名目でStudy Permitを申請した、という理由がほとんどです。

■自動的に失効することをご存知ですか?
2014年6月1日付でStudy Permitに関する法律が改訂となり、「卒業に向けてしっかりと勉学に励んでおり、履修していること」がStudy Permitを有効に保つ条件として加わりました。従って学校へ通学しなくなった時点でこの条項を満たさなくなり、通学しなくなった日から90日後に(たとえビザに記載されている失効日は数年後だとしても)Study Permitは自動的に失効します。ではどうして移民局は通学していないということを知ることができるのでしょうか。それはStudy Permitの発行が許可されているカナダの指定校(Designated Learning Institutions)が、定期的に移民局のDesignated Learning Institutions Portalというシステムを通してプログラムを履修しているか否か、ということを報告する義務があるためです。

以前はこのような条項はありませんでしたが、政府もStudy Permitを取得後、実際に学校で履修しない留学生が多発していたこともあり対策を取った形です。驚くべきことはこの条項が2014年6月1日以降有効となったにも関わらず、未だにこの条項を無視して(或いは把握せず)「こうすれば長期でカナダに滞在できます」とアドバイスをしている人がいるということです。これはもちろん違法であり、最悪の場合アドバイスをしてその通りにした方の人生を狂わせてしまうことにも繋がりかねません。

■個人移民できない?
弊社へ個人移民のご相談でお越しになられた方で、「カナダで大学を卒業し、Post-graduation Work Permitを3年間取得し、その後2年間のCollegeへ行った。Express EntryのInvitationを受領したので移民申請したいが、実は2年間のCollegeは全く通わず、卒業もしていない。なので卒業証明書も、成績証明書も提出できない。」という方がいらっしゃいました。その2年間何をしていたのですかという質問に対して、「Study Permitを持っていたので、Off-Campusで就労していました」という回答でした。ここまで伺った時点ですぐに私の頭の中は危険信号で一杯でした。

Study Permitの期間が2年間あっても、履修しなくなってから90日後には既に失効していること、失効しているにも関わらず就労を続けていたことで違法就労に該当すること、またこの事実を隠して移民申請した場合、政府はCollegeの報告を調査することにより実際には履修しなかったことが明白になるため、虚偽の事実をもって移民申請をされたということになりますとお話しました。残念ながら個人移民は不可能であり、高い確率でRemoval Order(犯した犯罪の度合いにより3種類ありますが、ここでは触れないこととします。)が発行されてカナダ国外追放となるでしょう、と申し上げると、真っ青になってこんなはずではなかったと言っておられました。

■資格を有する人にアドバイスを乞うこと
カナダでは、弁護士或いは政府公認移民コンサルタント以外がビザについてアドバイスをすることは固く禁じられています。ご自身の未来を壊さないために、くれぐれもご注意下さい。