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PRを破棄するということ

今月は「Voluntarily RenouncingPermanent Resident Status」、つまり自主的にカナダの移民権(PR)を破棄する手続きに関してお話致します。

■なぜそんなことをするの?

PR破棄、と聞くと「どうしてそんなことをわざわざするの?せっかく取ったのに」、「PRは破棄手続きをしなくても、自動的に失効するでしょ」と考えられる方が多いかと思います。実は年々自主的に移民権を破棄する方は増えています。その理由の例は以下が挙げられます。

  1. カナダに再入国したい
  2. カナダにPRとして居住する予定がもうない
  3. 市民権・移民権をカナダ以外の国にて申請したが、その国が他国の移民権を持つことを許していない
  4. カナダ以外の国にて、外交官などの仕事に就くこととなったが、その国が他国の移民権を持つことを許していない

この理由のうち、圧倒的に多い理由が1番です。状況を詳しく説明すると、PRを取得後に何らかの理由でカナダ国外に長期滞在していたため、PRカードの更新条件の1つである「直近5年間のうち、最低でも合計で730日はカナダに滞在していること」という項目(移民法ではこの項目をResidency Obligationと呼びます)を満たせなくなってしまってから、ご相談のメールを頂くことが多々ございます。

本来ならば、カナダ国外滞在中にPRカードが失効してしまった場合にはその国のカナダ大使館にてTravel Documentを申請・取得し、カナダに再入国することが可能ですが、Residency Obligationを満たせない場合にはPR更新の条件を満たしていないためTravel Documentを取得することができず、カナダへ渡航することができせん。この時点でカナダ再渡航のために残されているのはHumanitarian& Compassionate 枠でTravel Documentを申請して認可をもらうか、或いは自主的にPRを破棄する手続きをし、eTAを申請してカナダにビジターとして渡航するか、のいずれかとなります。

■重要なキーポイント

ここでとても勘違いが多い、重要なキーポイントについて説明します。

  • PRステータスは失効しません。

PRカードには有効期限がございます。従って失効日を過ぎれば「カードは」失効します。PRカードは旅行の際に「カナダのPRである」ということを証明するものです。従って旅行をしたいのであれば5年毎に更新する必要があります。反対に、もし旅行をしないのであれば、PRカードが失効した後もカナダにそのまま滞在することが可能です。沢山の方が誤解しているようですが、PRカードは失効しても、PRステータスが失効するということはありません。つまり、カナダ国外に長期間滞在したことでResidency Obligationが満たせなくなった際、自動的にPRステータスがなくなっている・取り消されているということはあり得ないのです。

  • PRカードの更新はカナダ国外からは行なえません。

PRカードの更新はカナダ国内にて行う必要がございます。従ってカナダ国外滞在中にPRカードが失効した場合には、その国のカナダ大使館にてTravel Documentを申請、取得してからカナダに再入国し、その後カナダ国内にてPRカードの更新手続きを行って下さい。

■破棄した後はどうなるの?

PRステータスの破棄が認められた後は、PRを取得する前と同じステータスになります。つまり、カナダにはeTAを予め申請し、ビジターとして渡航することになります。それまで受けていたカナダのPRとしての政府のBenefitなどは受けられなくなりますのでご注意下さい。破棄手続きをすることによって、一緒にPRを取得した家族もPRを破棄しなければいけない、ということはありません。

もし破棄手続きをカナダ国内で行った場合、破棄が認められた日から6ヶ月間はビジターとして滞在することが可能です。その後滞在を延長したい場合には、通常通りビジターの延長申請をしなければなりません。

■一人一人状況は異なります

カナダ国外に長期滞在することとなった理由はお一人お一人異なります。状況・理由によってはPRを自主的に破棄せずともカナダに再入国できる道があるかもしれません。躊躇せず、移民弁護士や政府公認移民コンサルタントにご相談下さい。経験豊富な方なら的確なアドバイスができるはずです。