No. 78 – ビザ・移民申請をすることの意味

by | Oct 30, 2019 | 連載記事 | 0 comments

毎月、沢山の方からお問い合わせを頂いています。今すぐに移民申請をしなくても、後々移民申請するということを念頭に置いて、今からそのプランニングを始めている人も見受けられ、嬉しく思っています。またそのような方とは対照的に「何とかしてカナダで暫く滞在したい」「とりあえずあと半年間滞在を延長して、それから先はまた後日考えます」というような方からもお問い合わせを受けています。

■カナダでの最終的な目標は?

お客様とお話ししていると、「カナダでの最終的な目標は移民することです」と自信を持って話される方がいます。そのような方にいつもお伺いするのは、「移民した後、カナダで何をしたいですか?」ということです。この質問をお伺いすると、「・・・実はわかりません。移民してから本当にしたいことを考えます。」と返答される方がとても多いということに気付かされます。近年「カナダに移民する」ということが一種の憧れになってしまっており、肝心の「移民した後カナダで何をして生計を立てていくか」いうことについてのリサーチができていない人が多いという印象を受けています。

(改行)まずは自分と向き合い、将来カナダでどのような仕事に就きたいかということを知ること。そしてその職業についてリサーチをし、「この仕事をするためにはこのライセンスが必要であり、このライセンスを取得するためにはこのプログラムを卒業してインターンを何年しなければならない」などの具体的な道筋をしっかりと考えることは大切です。特にカナダという異国において、新しくキャリアを築いていくことは色々と困難なことが待ち構えているかと思います。途中でつまずいてやむを得ずキャリアを変更しなくても良い様、予めそのキャリアをカナダで築くためには何年必要か、それにはどのようなビザが必要になってくるのかということも念頭に置いてプランニングをしなければならないとお考え下さい。

■ジレンマ

そうは言っても、「移民権を取得してからカナダで継続してしたい職種」と「移民申請の条件を満たすための職種」が必ずしも同一でない場合もあります。例えばネイリストやエステティシャン、ツーリズム関係などがその例です。残念ながらどんなに興味を持っていても、その方がどれだけ日本で経験を積んでいても、場合によっては移民申請には繋がらないこともあります。その結果、「料理も得意ではないし、興味も無いけれど、とりあえずCulinary Programを受講して、Cookとして職を得てから移民申請を目指します」というような人が出てきてしまうのは仕方がないことかもしれません。自分が将来したい職業と、移民申請可能な職業とのギャップで悩んでいる方が沢山いることも事実です。

(改行)また留学エージェンシーなどにて進路相談をされる度に、行きたい学校やプログラム、申請したいビザの種類が変わる方も見受けられます。先日お客様の一人から「何回までならVisitorとして延長してもセーフですか」、「時間稼ぎのためにビザ取り学校へ行きたいのですが大丈夫ですか」というご相談を受けました。また「ビザ取り学校としてカナダ政府のブラックリストに載っている学校名を教えて下さい」とも・・・。返答に困ってしまうような内容ばかりで驚きましたが、そのどれもがエージェンシーにて言われたことだったと言われ、とても驚きました。

■初心に戻ることも大切

ビザ・移民申請をすることの意味 その場しのぎでカナダに長期間滞在する方法を考えるのではなく、一度初心に戻って「カナダに渡航した目的」と「その目的を果たせたか」ということについて考えてみるのも一つの手かと思います。その上で例えば英語力がある一定まで達していないのであれば、あと何年カナダに滞在してから日本に帰国し、カナダで得た語学力を生かして頑張ってみよう、など方向転換を考えることも大切かもしれません。一度しかない人生ですから、悔いのないように頑張って下さい。